新所沢の塾 小学生向け放課後学び舎Kitala-私の社会貢献履歴

新所沢の塾 小学生向け放課後学び舎Kitala-私の社会貢献履歴

新所沢の塾 小学生向け放課後学び舎Kitalaです。

私が編集委員として参加している東京ボランティアセンターが発行する情報誌『ネットワーク』で、編集員企画としてコラムを執筆しました。
今までの社会貢献活動の履歴とKitalaを始めた想い、社会貢献活動をする上で大切にしている考えを書いていったら3000文字以上になってしまい、誌面の関係上、大幅カットに。

せっかく、書いたのでボツにするのももったいので、ここに原文を掲載します。
拙い文章ですが、お時間ある時に読んで頂けると幸いです。

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私が社会貢献を始めたのは31歳。転職をして自分の時間が持てるようになった時です。
20代を激務の中で過ごしてきたのでこれと言って趣味がなく、自分の時間を作れても何をすればよいのか途方に暮れていました。そこで「よし!趣味を作るぞ」と始めたのがボランティア。
なぜボランティアを選んだかというと、一番お金が掛からないで始められそうと思ったからです。今でもそのスタンスは変わらず、私の社会貢献は趣味です!誰かのためとか高尚なものではなく、完全に自分のための趣味です!そんな趣味をずっと続けているだけなんです。

さて、いざ趣味としてボランティアを始めようと思ってもどうすればよいか分からない。
今までボランティアをしたことがないからどうやって始めたらよいか分からなかったので、相談したのが東京ボランティアセンター、ボラセンです。
ボラセンとの出会い、特にK氏との出会いが私の社会貢献活動の土台を作り、今こうしてコラムを執筆させて頂くに至っています。人生を変えるような出会いはいくつかありましたが、その一つがK氏との出会いですし、それ以降、社会貢献活動をしていく中での多くの出会いもK氏あってからこそ。Kさん、本当にありがとうございます。あなたに会えたことは私の幸せです。
ただ、ここまで言っておきながらボラセンとの取り組みをここで細かく書いていくと誌面が足りなくなるのでここでは割愛させて頂きます。申し訳ない。

ボラセンに相談してボランティアの始め方を知り、そして、楽しさを実感できたので、最初のボランティア活動として始めたのが児童養護施設での学習ボランティア。
テーマを子ども支援に決めていたので、子どもを支援できる場所を探したら職場の近くに施設があり、飛び込みでボランティアをさせてくださいと連絡をしたら運よく受け入れて頂けました。
児童養護施設がどんな所なのか、どんな子ども達がいるかも知らずにやりたい想いだけで始めました。
今思えば無謀な気がしますが、逆に何の知識も無かったので身構えずに出来たのが良かったのかもしれません。

学習ボランティアは当時中学3年生の子どもの受験勉強を教えるものでしたが、それまで人に勉強を教えることなどしたことがなく、できるのかは分かりませんでしたが、何とかなるだろうとスタートしました。
担当した子は発達に課題があり、勉強にも遅れがあったので、普通科ではなく特別支援の高校への進学を予定していました。最初に会った時は全く話しをしてくれなかったので、まずは私を知ってもらおうと色んなことを話しました。子どもの頃の話から、仕事での失敗談など色んなことを取り留めもなく話しをしていったら、少しずつ心を開いてくれて、私を信用してくれるようになり、私との勉強は高校に入ってからも継続して施設を出る18歳まで続いていきました。20歳以降はたまに会ってお酒を飲む仲になっているので、彼もまた私の人生を変えるような出会いですし、彼にとっても私との出会いで人生が変わったと思います。

施設でのボランティアで気づいたことは、ボランティアは仕事とはまた違ったやりがいを感じることが出来ること。
支援した子が高校に受かった時に「ありがとう」と言ってくれた時に、自分がやった行動自体に感謝をされたことに感動しました。仕事では感じることがないその喜びを知ってしまった時、社会貢献活動から抜け出せなくなっていました。 

そうする今度はもっと多くの子どもを支援したいという欲がふつふつと沸いてきました。学習ボランティアでは一対一で支援はできるが、団体で活動をする方が多対多でもっと多くの子どもを支援できる。そう考えて始めたのが任意団体オレンジフラッグです。
オレンジフラッグはひとり親の子ども達のためにアウトドアイベントをする団体です。団体を立ち上げるために地元の仲間に相談をして、自分たちでどんなことが出来るかを考えたら、仲間はアウトドアが好きだったので、その好きを子ども支援に還元出来ないかを突き詰めていったら、アウトドアができない子ども達を支援するコンセプトが出来上がりました。
アウトドアができない子どもを考えるとひとり親家庭と結び付き、ボラセンとの関わりで知り合ったNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむさんと連携することで始まったのがオレンジフラッグです。

オレンジフラッグでは山登りをしたり、バーベキューをしたり、川遊びをしたりとひとり親ではなかなかできないアウトドア体験を子ども達に提供して、子ども達の笑顔が溢れる活動です。毎回、子ども達の笑顔に癒させれてこちらが元気をもらっています。

オレンジフラッグの活動をして驚いたのは、サポートをしたいと応援をしてくれる方がドンドン増えてきたことです。最初は仲間の5名で始めましたが、回を重ねるごとにボランティア希望者が増えてきました。良いことをしていると他人は応援をしてくれる。そのことを本当に実感でき、利他の心というものが人を動かし、応援をしてくれるんだと初めて気付きました。今でも利他が私の最も重要な哲学となっています。

残念ながらオレンジフラッグは団体としての活動は休止をして、今は私個人でしんぐるまざあず・ふぉーらむさんと活動をしておりますが、子どもの笑顔が溢れるイベントであることは変わっていません。

それ以降も様々な社会貢献活動に携わってきましたが、2022年からは所沢での社会貢献活動として食料支援活動の「みかた」を始めました。
みかたは、所沢の店や農家から余剰品や売れ残りや規格外品など食べられるけど捨てるしかないものを引き取って、地域のひとり親世帯や多子世帯など困っている家庭に届ける活動です。
提供する品は、私がやっている所沢の街の人を紹介するWebメディアのRitaで繋がったお店の方が快く協力してくれて集まりました。利用者は所沢で活動している他のフードパントリーの団体にも協力してもらいすぐに集まりました。
第一回目は5世帯から始まりましたが、今では50世帯以上の登録があり、毎回20世帯以上が利用して頂いております。
所沢の利他が繋がっているなと、毎回感じています。
ちなみに、「みかた」という名前は、困っている人にとっては「味方」、お店の方にとっては近江商人の「売り手によし、買い手によし、世間によし」の「三方(さんぽう)よし」となるように「三方(みかた)」と二つの意味で名付けました。なかなか良い名前を付けたなと自分で気に入っています。

そして、2024年からは社会貢献活動ではなく事業として、小学生向けの放課後学び舎Kitalaを開校しました。
今まで児童養護施設、ひとり親の子ども達と接しているなかで、子どもの教育が本当に大切なものだと実感しています。教育が子どもの未来を形づくり、子どもが大人になった時にはその子どもへ影響していきます。子どもの今をサポートしつつ、将来のためになる教育とは何かを考えて、Kitalaという学びの場を作りました。
Kitalaは普通の塾のように勉強を教えることはしません。もっと言うなら、勉強をすることさえ指導はしません。
大切にしていることは「自分が出来ることを知る」ことです。
自分が「出来る」「知っている」ことを理解してはじめて、今出来ないことに挑戦してみよう、知らないことを勉強してみようとなります。
学ぶためには、今の自分がどんなことが出来るか、どれだけのことを知っているかを理解することから始めなくてはなりません。そして、自分がどれだけ出来るかを知れば、子どもは自発的に新たな学びや新たな挑戦をします。例えば、赤ちゃんが自分の足で立てるようになったら、勝手に歩き出すようにです。
今までの社会貢献活動の中で色々な子ども達に会ってきましたが、大切なことは子どもが自分自身の可能性に気付くことだと考えています。
自分の可能性が分かれば、子どもは自信を持って自分の足で歩いていけるし、道を自分で切り開いていけるようになると信じています。
Kitalaは事業ではありますが、今までの社会貢献活動で得た経験を基にしたいわば、私の社会貢献の集大成のような場所です。

さて、このように社会貢献活動を続けてきたなかで、社会貢献活動とは一体どういうものなのかを私なりに考えていくと、社会貢献活動は「大きなお世話」であり「余計なお節介」だと考えています。
他人によっては、それは使命であり、責任であるかもしれませんが、私にとっては余計なお節介を焼いているだけなんです。
もともと趣味として始めた社会貢献活動ですので、私がやらなくてもいいと思っています。世間も私を求めていないと思っています。だったらなぜやるのか。
それは、目の前に困っている人がいるからです。
困っている人を前にして無視できないからです。

この社会には本当に多くの困っている人がいます。そして困っている人はなかなか自分から困っていますと、大きな声で言えないんです。
だから、他人によっては困っている人が見えないし、声が聞こえない。
だけど、社会貢献活動をしている人達はその困っている人が見えますし、声が聞こえるんです。
困っている人を見つけたら、何か出来ることはないかを考えて手を出してしまう。他人によってはそれは大きなお世話かもしれませんが、それで結構じゃないですか。大きなお世話をして、余計なお節介を焼けば、誰かの役に立てる。大いに結構です。

今の社会は、他人に干渉されたくないと考える人が多くいて、他人に干渉することはよくないと考える風潮にあります。
そうして、みんなが干渉をし合わないと、本当に助けが必要な人を見過ごすことになってしまいます。
他人が見過ごしてしまうことを見過ごさずに、手を差し出すのが社会貢献活動の本質であるし、それが余計お節介なんだと思っています。

私が出来ることなんてほんの些細なことかもしれませんが、これからも大きなお世話、余計なお節介で社会に貢献していければと思っています。